緑内障
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眼内のCT・MRIとも言える新たな検査機器
OCT(Optical Coherene Tomography:光干渉断層計)検査を導入。
緑内障や網膜の病気の診断、治療方針に有利です。
1. 緑内障とはどういう病気?
緑内障は、視神経に異常が起こり視野(見える範囲)や視力に障害を起こす病気です。眼圧(眼の中の圧力)の上昇によって、ときには眼圧が正常でも視神経が圧力に耐えられなくなるときに起きます。 緑内障の中でも日本人の約6割が、眼圧が正常である正常眼圧緑内障と言われています。
そして、40歳以上の日本人の20人に1人、また、70歳以上では8人に1人が、緑内障にかかっていると最近の調査で判明しました。
2. 緑内障の症状
大多数の緑内障では初期に症状はありません。 なぜなら、視神経の障害はゆっくりとおこり、視野(見える範囲)も少しずつ狭くなっていくためです。
当院では、かゆみ、めやに、や白内障など違う理由で来院された方に見つかることがほとんどです。 いったん障害された視神経の回復は不可能なため、早期に発見し、それ以上悪化させないことが大切です。
また、緑内障の中には急激に眼圧が上昇し、目の痛みや頭痛、吐き気、かすみなど激しい症状をおこす急性緑内障もあり、その場合、失明の可能性があるため早急に治療が必要です。
3. 緑内障の検査
緑内障は、眼圧検査、眼底検査、視野検査などで診断されます。
- 【OCT検査】
- 眼内のCT・MRIともいえるOCTを導入しました。この検査によって、わずかな変化さえ検出できるようなり、緑内障や網膜の病気の診断、治療方針が速やかに判断できるようになりました。
(Optical Coherence Tomography:光干渉断層計)
- 【眼圧検査】
- 直接、目に測定器具をあてて測定する方法と、目に空気をあてて測定する方法があります。眼圧が緑内障の進行に影響あるため、高い場合に緑内障を疑ったり、緑内障治療のコントロールの指標に使用したりします。
- 【眼底検査】
- 視神経の状態を確認します。視神経が障害されている場合、視神経乳頭の陥凹(くぼみ)が正常に比べて大きくなります(視神経乳頭陥凹拡大)。
- 【視野検査】
- 視野の欠損(見えない範囲)の有無や大きさから緑内障の進行の程度を判定します。
- 【FDT】
- 当院に導入している視野検査の一つですが、通常の視野検査に比べ短時間で終わり、緑内障の初期の視野異常を検出できます。
4. 緑内障の治療
緑内障の治療は、眼圧をコントロールすることです。
- 点眼薬・内服
- 通常はまず点眼薬によって治療を行います。 1種類で眼圧がコントロールできないとき、または視野の異常が進行する場合には、点眼薬を変更したり、2種類、3種類と点眼薬を増やしたり、内服薬を併用することになります。
- 手術・レーザー
- 急性緑内障や、急性緑内障の発症の可能性が高い場合や薬物療法で眼圧コントロールが不十分な場合、レーザー治療や手術を行います。レーザー治療は外来ででき、比較的安全で痛みはありません。ただし、レーザー治療や手術を受け、眼圧が下降しても、再び眼圧が上昇したときは、再度手術を行う場合もあります。
- SLT (選択的レーザー線維柱帯形成術)
- 当院では、外来で可能な新たな緑内障の最新治療である SLT(選択的レーザー線維柱帯形成術)を導入しています。この治療は、10分程で痛みもなく今までの手術やレーザーと比べても安全で副作用がほとんどないため、眼圧が高い人や緑内障の視野異常が強い人だけではなく、妊娠や点眼の副作用のため点眼治療の継続が難しい方、点眼を忘れてしまう方にも行うことが可能です。時には治療の第一選択となる場合もあります(一部の緑内障は除きます)。
※ SLT(選択的レーザー線維柱帯形成術)は、一部の緑内障を除き、通常のレーザーと違ってどの治療段階でも行うことが可能です。(点眼を2種類行った後、点眼を3種類行った後、妊娠中など点眼が使えない場合など)